オジサン画家のMuuです。
いろんな画材を使って
日々の暮らしを彩る絵画を描いています。
音楽や文芸、モノ作りなど
いろんなアートに首を突っ込んでいます♪
最近はおうち時間を充実させたくて
絵を描いてみたいと考える方も多いようですね。
今回はいざ絵を描いてみたいと思ったものの
どの絵の具を選んだらいいのか分からずに
お困りの方必見です!
また、すでに絵を描いているけれど
ご自身が使っている絵の具のことを
よく分かっていなかったという方も
これからは愛用されてる絵の具の説明が
自信をもってできるようになるばかりか
他の絵の具にもチャレンジしてみたいと
思うかもしれません。
では最後まで読んでみてくださいね。
絵の具の種類ってどんなものがあるの?
絵の具とは顔料とバインダー(接着剤)でできている
絵の具には様々な種類がありますが色の元に
なっているものは同じで顔料なのです。
顔料には天然の土や鉱物、また科学的に
合成したものがあります。
顔料と合わせて、紙やキャンバスに定着
させる為のものがバインダーです。
そのバインダーの種類によって色々な
種類の絵の具ができるのです。
顔料 +
●アクリル樹脂 = アクリル絵具
●アラビアゴム = 水彩絵具
●乾性油 = 油絵具
絵の具の種類1:油絵の具
油絵の具といえば印象派の絵画のように
厚塗りで重厚な何となく難しそうなイメージが
あるかもしれません。
ただ油絵の具はそれだけではないんです。
鮮やかさと深み、艶がある
油絵の具の色の鮮やかさ深み、艶は
他の絵の具と大きく異なります
色の鮮やかさは、すりつぶされた顔料が
溶けている乾性油の屈折率(光の反射量及び
吸収量)が高いからです。
また、艶のある絵肌を得られるのは
油絵の具自体に艶があるからです。
アクリルや水彩絵の具は
濡れているときと乾いているときで
色が少し違います。
油絵の具は描いているときも
乾いたあとも濡れ色のままなのです。
透明度が高い
一般の多くの人は油絵の具は不透明と
思われがちなのですが、実は透明なのです。
もちろんペインティングナイフで厚塗り
すれば不透明ですが、普通に筆で描く分には
透明で、そのため何度も重ね塗りすることで
下の層の色が複雑に影響し深みのある表現に
なるのです。
乾燥速度が遅い
乾燥が遅いと聞くと短所のように感じる
かもしれませんが、この乾燥が遅い性質を
生かして、一度塗った後でも修正がしやすい
のです。
また、乾燥が遅いためグラデーションを
作りやすいという特徴もあります。
その反面、アクリルや水彩絵の具は
10分で乾くものも、油絵の具では
1~3日乾かないこともあります。
厚塗りに向いている
アクリル絵の具などは乾いたときに体積が
減り、描いているときより厚塗り感が
なくなってしまいます。
その点、油絵の具は描いた時と乾いた後で
体積が変わらないため、迫力のある厚塗り感が
得られるのです。
絵の具の種類2:水彩絵の具
水彩絵の具は、絵具、絵筆、紙、水さえあれば
描ける手軽さが特徴でしょう。
道具がシンプルなので、携帯用の水彩セットを
持っていれば、旅先などでスケッチするのも
楽しいと思いますよ。
チューブ入りと固形タイプがある
水彩絵の具にはチューブ入りのものと
パンと呼ばれる固形タイプのものがあります。
広い部分の薄塗には
チューブ入りタイプを
旅先でスケッチしたいときには
固形タイプを選ぶと良いでしょう。
透明感のある繊細な表現
水彩絵の具で描くイメージは、白い紙に
セロファンを重ねてのせていくような
行程になります。
重ねて塗れば塗るほど暗くなります。
ですので、画面上で明るいゾーン、
紙の白を残したいゾーンを考えて描きます。
これができれば、
紙の白を生かした最小限のタッチで
素敵な絵になるのです。
混色ができる
理論上は、赤、青、黄の三原色を混色すれば
どんな色でも作れますが、実際には
あらゆる色が作れるほど純度の高い顔料は
なかなかありません。
●混色の仕方には二種類あります。
1.パレットの上で色を混ぜる合わせる
2.紙の上で色を別々に塗り重ねていく
- の方法だと欲しい色を目で確認しつつ
作りだすことができます。
2.の方法はうまく重ねると、とても鮮やかな
色合いになります。上の色を通して下の色に
反射する光を感じるからです。微妙な色の
変化や立体感をだすことが可能です。
乾燥後も濡らせば修正可能
濡らしたティッシュや海綿を使って、
絵具を溶かしてふき取ることができます。
ただ、描く前の紙の白さまで明るく
戻すことはできません。
色あせしやすく、強度が低い
水彩で描かれた名画の展示を
見たことがありますか?
ほとんどが薄暗い部屋の、展示ケースの中に
飾ってあります。
水彩絵の具は、耐光性が低く、色褪せ
しやすい弱点があります。
透明水彩絵の具と不透明水彩絵の具
水彩絵の具には透明水彩絵の具と
不透明水彩絵の具があります。
どちらも、アラビアゴムで練られた絵の具
ですが、アラビアゴムの濃度が違うのです。
透明水彩絵の具は大量の水で薄めても、
高濃度のアラビアゴムで練られているので
画面に貼りついていられます。
大量の水で薄めても定着するので、
透明感のある表現ができるわけです。
不透明水彩絵の具は小学校で使われている
ような水彩絵の具です。
マットで乾いた印象の仕上がりですね。
安価で服についても水で落ちるので
手軽さでは一番でしょう。
絵の具の種類3:アクリル絵の具
アクリル絵の具が誕生したのは
それほど昔のことではありません。
油絵の具が何世紀にもわたる
歴史があるのに対し、
アクリル絵の具の歴史は数十年ほどです。
しかし、アクリル絵の具には
他の絵の具にはないたくさんの長所があり
一般的な画材として定着したのです。
乾燥が早い
アクリル絵の具は水分の蒸発と共に乾くので
絵具の中で最も早く乾燥します。
ドライヤーで乾かすこともできるので
制作時間を大幅に短縮することが
できるのです。
水溶性(水に溶ける)
アクリル絵の具は水に溶かして使います。
混ぜる水の量によって油絵風から水彩風にまで
多様な表現が可能です。
筆も水で洗うことができます。
不透明で細かい描写がしやすい
絵具が水を多く含んだ状態でも
不透明に塗りつぶすことができるので
筆先を尖らせて不透明で細い線を引いたり
することもでき細やかな作業にも向いています。
アニメの緻密な背景画には
アクリルガッシュが使われているようです。
乾くと耐水性になる
バインダーとして使われている
アクリルポリマー・エマルジョンが絵の具が
乾燥した後に極めて安定した塗膜を形成
します。
雨にあたっても絵の具が滲むことが
ありません。
ただ、服につくと落とせないので
注意が必要です。
多様に表現できる
絵画の制作からイラストレーション、工芸
ネイルアートまで幅広い世界で
使われています。
キャンバスや紙のみならず、木製ボード、布
石、革、コンクリート、紙粘土など様々な
ものに着色することができます。
(その他ジェッソで下地を作る、
サンドペーパーをかけるなどして着色できる
もの:モルタル、アルミ板、スチレンボード
アクリル板、ガラスなど)
メディウムの種類が豊富
アクリル絵の具には、質感を変えるための
沢山の種類のメディウムが用意されており、
併用することで豊富な表現が可能に。
●ジェッソ
絵を描く前の下地材として使用します。
そのまま描いても構わないのですが
ジェッソで下地を作っておくと絵の具の発色を
良くしたり定着を促進します。
また、ジェッソは修正にも使えます。
ジェッソの白は不透明色なので描いた絵の
上から濃い目のジェッソを塗るともう一度
最初から描き直すことも可能です。
●ジェルメディウム
ジェルメディウムは、古典絵画の
グレーズ技法のような透明な膜を作れます。
また、砂やおがくずなどを混ぜて個性的な
テクスチャーを作ることも可能です。
絵画という固定概念にとらわれず、
個性的な新たな表現に挑戦できます。
●モデリングペースト
大理石の粉末などからできた、
粘りのあるパテ状の白色下地材です。
乾くと固まりノミなどで彫刻的に立体的な
加工ができます。
ヘラを使って簡単に立体的な下地を
作ることができます。
乾燥してから作画に入ります。
●リターダー
アクリル絵の具は乾燥が早いため、
画面上で色を混ぜてグラデーションを
作るのが難しいんです。
しかし、リターダーを使えば、
適度に乾燥が遅くなり、画面上で
絵の具を混ぜやすくなりグラデーションも
簡単に作りやすくなります。
アクリルとアクリルガッシュの違い
アクリル絵の具には、
アクリルとアクリルガッシュの
2種類あるのです。
知らないとどちらも同じようなものと
思われがちですが、
厳密には別物と考えた方がいいです。
●アクリル絵の具
アクリル絵の具は当初、屋外の大作に使用
できる耐久性の高い絵の具の必要性から
誕生しました。
アクリル絵の具の特徴はツヤ感や
透明感があることです。
最近では透明度がさらに高いアクリル樹脂
を使ったリキテックスプライムが発売され
油絵具のような透明な絵の具もあります。
しかし、逆に言うとアクリル絵の具は
マットな質感にやや乏しいのです。
そこで用意されたのが
アクリルガッシュです。
●アクリルガッシュ
不透明でマットな絵の具です。
なので下に塗った色の影響を受けず
塗り重ねることができます。
厚塗りしすぎると、ひび割れたりするので
注意は必要です。
また、アクリルガッシュは
アクリル絵の具より発色が良いです。
平面的な作風のものに適してますが
耐久性,耐光性の面では
アクリル絵の具に劣ります。
おすすめは合成繊維の筆
アクリル絵の具は乾燥とともに固まって、
もう落とすことができなくなるという話を
しましたが、
これは使用する筆においても同じことが言え
アクリル絵の具の場合は
筆を長持ちはさせにくいのです。
なので、イタチや馬などの獣毛の筆を使わず、
基本的には使い捨て感覚で、
ナイロンなどの合成繊維の筆を
おすすめします。
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